2011年3月9日水曜日

「権利」はどこからやってきた?

欧米には「自然権」とか「自然法」という概念があります。
これらは人間が生まれながらにして持つ「権利」があるとします。

こういう考え方はおそらく封建国家にあった「王権神授説」に対抗するためであったと
想像できます。
その説の可否はさておき、現代においては表現の自由をはじめとする精神的自由権が
もっとも重要だとされていますが、歴史的には「所有権」を始めとする財産権の保護が最重要であった。

これはときとして王権が人民の財産を勝手気ままに搾取するという事態があったからにほかなりません。

さてここで「所有権」とは何かをちょっと考えましょう。
法律的には「その所有物の使用、収益、処分する」権利をいいます。

大小の動産、不動産を排他的に支配できる権利ですね。

この意味で江戸時代なんかに殿様から拝領された「物」なんかには拝領を受けた家来は所有権はなかったといえます。
たとえば、ある家臣が上様からお持ちの馬を譲り受けたとします。
もしこの馬に対して所有権があったとしたら、この家臣この馬を煮て食おうが焼いて食おうが、はたまた見世物小屋に売り飛ばそうが許されるはずですが、そうはいかない。

おそらくお家は断絶、蟄居命令が来ることは明明白白。
こういう意味で、この時代には少なくとも一部武士階級には所有権はなかったと言えるでしょう。

次の記事では、どうやってこの所有権は発生したり移転したりするのか。
なにをすれば所有権を守れるのかについてお話しします。

基本的に毎日一記事づつ更新していくつもりですが、仕事の都合でできないこともありますので、この点どうぞご容赦くださいませ。



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